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第1章 満員電車で

　掴んだ手首は少し力を入れるだけで折れそうなくらい細い女の手だった。
「やめていいの？」
　突然耳元で囁かれた女の声に背筋がぞくりと震えた。やめられたら困る。私はそう思ってしまった。見ず知らずの手に与えられている快感を私は求めていた。それに加えて、女に触れられていたという実感が、さらに激しく私の一物を勃起させる。そこからくる触れて欲しいという抗うことのできない程の強い衝動に、私は女の手を離していた。
　すると、ベルトが手早く外されズボンのチャックが下ろされ、パンツの中にするりと入ってきた手が肉棒を優しく掴み外へと解放した。
　あらわになった一物は、柔らかな手に包まれる。
　指先が亀頭を撫で、先から出てくる汁をすくっては先全体に塗り広げていた。
「んぅ……」
　思わずでてしまいそうになる声を必死で私は抑えていた。
　女はそんなことを気にも止めないようで、肉棒の根元を片手で支え、もう片方の手を我慢汁でヌルヌルにさせ先端から根元を往復させていた。
　自分以外の手で触れられるのはもういつ以来かも思い出せないし、自分で触れることも久しくしていなかった。
「ヌチュ……ヌチュ……」
　我慢汁でヌルヌルの亀頭と手が激しく擦れ、微かに卑猥な音が聞こえだし、誰かに聞かれたりしないかと気が気でなかった。その一方、それがまた興奮を誘ってもっと激しくと腰が動いてしまう。
　強弱をつけながらしごかれる肉棒に、イキたい気持ちとこんなところでイクわけにはいかないという気持ちが激しく争っていた。
「イキたいの……？」
　また女が囁いて私の肉棒はそれに激しく反応してしまう。
　何もいえずにいる私の肉棒を掴む手の動きが激しくなり、返答を急かしているようだった。
「電車の中でこんなにして、恥ずかしくないの？」
　とても恥ずかしいに決まっている。しかし、そう思う程興奮して、私の一物は発射寸前だった。
「うっ……」