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時と運命の調律者
第28章 少女と淑女の狭間で
「たぶん、だけれども・・・。僕との結合のエネルギーと言うか、もっと言ってしまえばその象徴、つまりは精液が吸収され尽くしてしまったからだと思う。・・・もしくは排出され尽くしちゃったと言っても良いかも知れないけれど」

「それってつまり・・・!!」

「元の姿と能力とを止めて置きたいのならば、僕と定期的にエッチをするしかないって事だよ」

「それは良いけど・・・。じゃあやっぱり、完璧に呪いが解けた訳じゃあ無いってこと!?」

「そう言う事になるね」

「うう・・・」

 とそう呻いてメリアリアは再び、自身で炎を召喚して見せたがさっきまでと同じ方法で、同程度の法力を放出したにも関わらずに出て来たのは指先からポッと出る程度の、マッチ棒クラスの火の玉でしかなかった。

「・・・・・」

「・・・ま、まあそう落ち込まないで?僕と愛し合えれば元に戻れる事は解ったんだからさ。ねっ!?」

「・・・ふふ」

 俯いてワナワナと震えるメリアリアだったが蒼太のその言葉を聞いた瞬間、ガッと彼の手首を握り、小さく一言呟いた、“して”と。

「して蒼太、私と・・・❤❤❤」

「えっ、えっ!?メリー・・・?」

「愛し合いましょう蒼太。だって蒼太の精液が注がれれば注がれるほど、私は元に戻れるんでしょう?だったらしない手は無いわ!!」

「ちょ、ちょっと待ってメリー、落ち込んでたんじゃ・・・」

「落ち込んでる暇なんて無いってば!!それにそれだけいっぱい、いっぱい愛してくれるって事でしょ!?それを聞いたらいても立ってもいられなくなってしまうもの!!」

 だからして、とメリアリアは蒼太に詰め寄った、“いっぱい愛して!?”とそう告げて。

「そもそも恋人同士なんだし、別に良いわよね?だからしてっ。蒼太ぁっ❤❤❤」

「あはは・・・」

(凄いやメリー、僕の身が持つかなぁ・・・)

 鍛えてはいるけれど、と思いつつも、なぜたがちょっぴりおつかれ気味の蒼太君だった。
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