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時と運命の調律者
第29章 真摯な思いと愛情と
一応だが、メリアリアが元の姿に戻ってから(と言うよりも元の姿に戻れる目安が付いた段階から)一ヶ月程度が過ぎていたがこの間、二人の間で何度か、気まずさを伴った沈黙が流れる事があった。
せっかく結ばれ直した、と言うのにその原因は何だったのか、と言うとそれは蒼太の側にあった、彼には一つ、気掛かりな事があったのだ。
それはつまり、“自分がいない間に、メリアリアが大変な目にあって来たのでは無いか”と言うそれだったが、彼だって18歳になってこう言う世界に住んでいるのだから、嫌でも色々と考える事は多かった。
ましてやメリアリアの場合は、仲間が付いているとは言えども熟(こな)す任務が任務なのだ、例えばその途上で誰かに性的な乱暴を受けたとか、辱めを受けたりだとか、そう言うことが有ったって、決して不思議な事では無かった。
だがその事が気になってはいたものの果たして、ズバリ口にして良いものかどうかも迷っていたのだ、それはそうだろう、誰だってそんな記憶をフラッシュバックされたくないに決まっているし、蒼太も現にさせたくなかった。
断っておくが、蒼太は別に“だから愛せない”等と言うつもりは毛頭無かった、寧ろ逆だ、“そんな辛い目にあっていたのなら、自分が忘れさせてやる”、そう思っていたのだ。
だがその為にはやはり、彼女に聞かざるを得ない、前に一度、まだメリアリアがメリーニだと名乗っていた頃、つまりはまだ、蒼太が彼女の正体について確証を持てずにいた頃に、気になった余りに彼女の身体を勝手にスキャンしてみた事はあったが、今考えるとあれもかなり失礼な話だったと思う。
だって自分自身の身体を、それも中からいきなり覗き見られる等、女子からして見れば堪ったモノでは無かっただろうが蒼太にしてみればそれを黙っていられる方がよっぽど堪(こた)える事だった、彼氏なのに、しかもすぐ側に居るのにも関わらずに彼女の一番の苦しみを解ってあげられないなんて、何の救いの手立ても打てないなんて悲しすぎるし、それは無いだろう、と思っていたのだ、それはやはり違うのでは無いか、と思っていたのだ。
せっかく結ばれ直した、と言うのにその原因は何だったのか、と言うとそれは蒼太の側にあった、彼には一つ、気掛かりな事があったのだ。
それはつまり、“自分がいない間に、メリアリアが大変な目にあって来たのでは無いか”と言うそれだったが、彼だって18歳になってこう言う世界に住んでいるのだから、嫌でも色々と考える事は多かった。
ましてやメリアリアの場合は、仲間が付いているとは言えども熟(こな)す任務が任務なのだ、例えばその途上で誰かに性的な乱暴を受けたとか、辱めを受けたりだとか、そう言うことが有ったって、決して不思議な事では無かった。
だがその事が気になってはいたものの果たして、ズバリ口にして良いものかどうかも迷っていたのだ、それはそうだろう、誰だってそんな記憶をフラッシュバックされたくないに決まっているし、蒼太も現にさせたくなかった。
断っておくが、蒼太は別に“だから愛せない”等と言うつもりは毛頭無かった、寧ろ逆だ、“そんな辛い目にあっていたのなら、自分が忘れさせてやる”、そう思っていたのだ。
だがその為にはやはり、彼女に聞かざるを得ない、前に一度、まだメリアリアがメリーニだと名乗っていた頃、つまりはまだ、蒼太が彼女の正体について確証を持てずにいた頃に、気になった余りに彼女の身体を勝手にスキャンしてみた事はあったが、今考えるとあれもかなり失礼な話だったと思う。
だって自分自身の身体を、それも中からいきなり覗き見られる等、女子からして見れば堪ったモノでは無かっただろうが蒼太にしてみればそれを黙っていられる方がよっぽど堪(こた)える事だった、彼氏なのに、しかもすぐ側に居るのにも関わらずに彼女の一番の苦しみを解ってあげられないなんて、何の救いの手立ても打てないなんて悲しすぎるし、それは無いだろう、と思っていたのだ、それはやはり違うのでは無いか、と思っていたのだ。