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時と運命の調律者
第33章 メリアリアside3
 責任とってくれる?と、メリアリアは甘えた声で恋人に尋ねると、彼からは力強く“もちろん”と言う答えが返って来た、蒼太はいつもそうだった、絶対に無責任な事はしないし、人の心を踏み躙るような事をしたことが無かった。

 彼は子供の頃から優しかった、とっても暖かくて誠実な人だったが、それだけではなくて、多分その当時からとっても強い人だった、それは武力がどうのと言う意味では無い、人として強かったのだ。

 ・・・本人にはまるで自覚が無かったけれど。

(彼はただ、一生懸命に生きてきただけなんだわ)

 自分の恋人は何処までも純朴で、真っ直ぐな人なんだとメリアリアは改めてそう思い、理解するがそうでなければとてもの事、蒼太の行動原理の説明が着かない、いや別に彼にしてみれば普通のことであり、日常を当たり前のように過ごしているだけなのかも知れないが、その心のあり方や存在そのものがメリアリアにとっては救いであり、生き甲斐であり、ただただ愛しくて有り難かった。

 人によってはうだつの上がらない、余りパッとしない外見をしてる、なんて言うかもだけど、そんな事は無い、自分の彼氏は世界で1番、ううん、宇宙で1番立派で頼もしくて、そして最愛の人なんだとメリアリアは心の底からそう思い、感じていた。

 ここに初めて来た時。

 メリアリアは疲労困憊ひろうこんぱいの余りに倒れそうになっていたし、何より頭の中がいっぱいになってしまっていた、別に悲しいことだけでは無い、嬉しい事、喜ばしい事、それら全てがごちゃ混ぜになって一遍に押し寄せて来て、精神がオーバーヒートしてしまったのだ、心が滅茶苦茶に掻き乱されてしまったのだ。

 蒼太と再会出来た、ただただ嬉しい、愛いとおしい。

 それは良かったのだけれども、同時に話さなければならないこともいっぱいあって、どれから、どう言う風に話せば良いのかが解らなくなってしまっていた、そうこうしている内に時間が過ぎ、するべき話をするべき時を完全に逸してしまった。
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