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時と運命の調律者
第1章 セラフィムの内乱
無人の荒野と化したこの市街地群は足下も覚束ず、うっかりすればもろくなっている地盤ごと、崩落の危険性すらあった。
当然、下は大河セーヌの奔流が渦巻いておりしかもそこまでは百メートル近くもの高さがある、落ちれば如何に彼とは言えども一溜まりも無い。
それでも少年は、その危険な外縁部分を駆け抜けて行くしか他に手は無かった、目指すは緊急避難場所に指定されているこの東地区の“古の教会跡地”だ、そこに残存のメンバー達が潜伏しており、他にも難を逃れた同志達が来るのを待っているはずである。
少年達の元々の“本拠地”だった場所は既に“奴ら”に落とされた、親しかった友人達も、兄弟同然に育ってきた仲間達も皆、散り散りになってしまったのだ。
その上安全な“中央部分”は向こうの手に落ちてしまっているから、ルートの選択に余地は無い。
「くそぅ、なんて事だよ、一体なんでこんな事に・・・」
「蒼太!!」
当然、下は大河セーヌの奔流が渦巻いておりしかもそこまでは百メートル近くもの高さがある、落ちれば如何に彼とは言えども一溜まりも無い。
それでも少年は、その危険な外縁部分を駆け抜けて行くしか他に手は無かった、目指すは緊急避難場所に指定されているこの東地区の“古の教会跡地”だ、そこに残存のメンバー達が潜伏しており、他にも難を逃れた同志達が来るのを待っているはずである。
少年達の元々の“本拠地”だった場所は既に“奴ら”に落とされた、親しかった友人達も、兄弟同然に育ってきた仲間達も皆、散り散りになってしまったのだ。
その上安全な“中央部分”は向こうの手に落ちてしまっているから、ルートの選択に余地は無い。
「くそぅ、なんて事だよ、一体なんでこんな事に・・・」
「蒼太!!」