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時と運命の調律者
第6章 ファースト・コンタクト
蒼太の初恋の人、メリーは本名をメリアリア・サーラ・デ・カッシーニと言った。
彼女は蒼太と同じで生粋のガリア帝国人と言う訳では無く、エウロペ連邦の屋根と言われる高山地帯“アルヴの山々”を隔てた隣国“エトルリア”の出身だった。
もっとも先祖は更に東にある“ギリシア”や“マムルーク”の都市“サルディス”において神官や巫女として活躍をしていたのだが、そんな彼女の家は代々、エトルリアにおいて“宮廷魔術師”を勤め上げてきた家柄であり当然、その血を受け継ぐ彼女もまた、高い霊力と法力とを兼ね備えていたのである。
そんな二人の出会いはメリアリアが6歳、蒼太が4歳の頃のこと。
彼女が母や叔母と一緒にガリア帝国の首都“ルテティア”のデパートに来ていた折に、叔母の持病だった腰痛が突然悪化してしまい、動けなくなってしまった事がその発端だった。
「おばさん、大丈夫?」
「痛たたたた。・・・ああ、ああ。何とか大丈夫だけど。しかしこの痛みはどうにかならないもんかね」
「いまお母さんがお医者さん、呼びに行ってるから。もう少しの辛抱だからね!?」
「・・・どうしたの?」
デパートの各階を繋ぐ階段の踊り場に設置されていたソファに横たわり、必死に痛みを堪える叔母をメリアリアが懐抱していると、そこへ一人の異国の少年が不思議そうな顔をしながらやって来た。
彼女は蒼太と同じで生粋のガリア帝国人と言う訳では無く、エウロペ連邦の屋根と言われる高山地帯“アルヴの山々”を隔てた隣国“エトルリア”の出身だった。
もっとも先祖は更に東にある“ギリシア”や“マムルーク”の都市“サルディス”において神官や巫女として活躍をしていたのだが、そんな彼女の家は代々、エトルリアにおいて“宮廷魔術師”を勤め上げてきた家柄であり当然、その血を受け継ぐ彼女もまた、高い霊力と法力とを兼ね備えていたのである。
そんな二人の出会いはメリアリアが6歳、蒼太が4歳の頃のこと。
彼女が母や叔母と一緒にガリア帝国の首都“ルテティア”のデパートに来ていた折に、叔母の持病だった腰痛が突然悪化してしまい、動けなくなってしまった事がその発端だった。
「おばさん、大丈夫?」
「痛たたたた。・・・ああ、ああ。何とか大丈夫だけど。しかしこの痛みはどうにかならないもんかね」
「いまお母さんがお医者さん、呼びに行ってるから。もう少しの辛抱だからね!?」
「・・・どうしたの?」
デパートの各階を繋ぐ階段の踊り場に設置されていたソファに横たわり、必死に痛みを堪える叔母をメリアリアが懐抱していると、そこへ一人の異国の少年が不思議そうな顔をしながらやって来た。