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時と運命の調律者
第6章 ファースト・コンタクト
「・・・ああ、うんとね。いま私のおばさんが、腰痛になっちゃったのよ」

「ヨウツウって?」

「腰が痛くなる事よ」

「・・・ちょっと見せて!!」

「ああっ!?ち、ちょっと!!」

 メリアリアからの言葉を聞いた少年は、彼女が止めるのも聞かずに叔母に歩み寄ると懐から何やら針のようなモノを取り出した、そしてー。

 素早く触診をするとそれを患部と見られる場所へと打ち込み、そこへ更に練り上げた波動を電気ショックの容量でバリバリ、バリバリ、と連続して流して見せた。

「あっ、あああああああ~・・・・・っ!!!!?え、ええええっっ!!?」

「・・・・・うそ」

「・・・よいしょっと。これで暫くは大丈夫だよ。でも一時しのぎみたいなモノだから、なるべく早くにちゃんとした所で見てもらってね?」

「あっ!?ち、ちょっと!!」

 その場を立ち去ろうとする少年に、メリアリアが何事か言い掛けるがその言葉は彼の母親と思しき女性の声で掻き消されてしまった。

「蒼太、蒼太?帰りますよ?」

「はーい、お母さん。それじゃね!!」

「あ、あの・・・っ!!」

「こっちです、先生!!」

「どれどれ。ほう、これは・・・!!?」

 折り悪くと言うべきか、丁度彼女の母親が医者を連れてやって来た為に結局その時はそれ以上、会話を持つことが出来なかったのであるが、これが二人にとってのファースト・コンタクトとなった。
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