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時と運命の調律者
第7章 青年と少女
「うっ。ご、ごめんなさい。つい・・・」

「いいや、いいんだよ謝らなくても・・・」

「自分も幼馴染みの女の子に教えてもらって初めて解ったんだ」、「だからそこには気を付けて作ったんだよ」等と説明する蒼太だったがどうにも腑に落ちない事があった、目の前の少女の気配が時折ぶれて感じるのだ。

 それに。

 ご飯の食べ方や味の好み、反応のパターン等がどうにもよく知っている、幼馴染みの少女のそれなのだが、その理由が今一、彼の中でピンと来なかった。

(なんなんだろうな?これは。こんなことは初めてだ、普通は気配の感じ方はその人その人によって違う。その人自身の持つ固有のパターンがあるはずなのに・・・)

 そしてそれは、例え相手が変化の魔術を使っている場合でもふとした時に漏れる意識の波長や好意、または殺気のようなモノまでは絶対に誤魔化せないものなのだ、それなのに・・・。

(メリーにこんなにも近いのに・・・。それでもメリーとは完全には被らないんだよな?一体、どうして・・・)

「ふ、ふあぁぁぁ~。あ・・・」

 蒼太がそんなことを思っていると、目の前でメリーニが大きな欠伸を掻いた、どうやら人心地ついた途端にそれまでの疲れが一気に押し寄せて来たらしい。

(無理もないな。今まで人目を気にしながらの野宿だったんだろうから。しかし良くもまぁ、今日まで無事にいられたもんだ。一応、身体をスキャンしてみたけれども異常や傷は付いて無いし、乱暴された形跡もない。無辜のまま、ここまで済んできたと言う事か・・・)

「あ、あっ。ごめんなさい、蒼太・・・」

「ああ、ごめんごめん。こっちこそだよ、疲れているんだろう?今日はゆっくりと眠るといいよ、ベッドも用意してあるから。大人用の奴だけど多分、大丈夫だろう、ちゃんと休めるはずだよ」

「でも。まだ後片付けも済んでないわ、失礼だわ!!」

「いいんだよ、取り敢えずは身体を休めて?まずはぐっすりと眠ることだよ、ここまでの疲れも溜まっているだろうからね。もし暑かったらクーラーもあるから掛けると良いよ、後片付けはこっちでやっておくから・・・」

「・・・うん、解ったわ。それじゃあお言葉に甘えさせてもらうわ。お休みなさい、蒼太」

 そう告げると、メリーニは子供用の椅子から降りて行き、用意された自身の寝室へと向かった、途中で何度も彼の方を振り返りながら。
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