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時と運命の調律者
第10章 追憶編1
蒼太は彼女の話にいつも耳を傾けてくれた、他の子供達が“そんなのありっこないじゃん”とか“バカじゃねーの?”で済ませてしまうような事でも蒼太だけは“そうなんだ”と言って頷き、“僕もそう思うよ”と同意してくれた。
後から振り返って見ると、特別な事など何もないこの日常の風景がしかし、メリアリアにとってはとても大切で得難い時間に変わって行ったのである。
遊んでいる時なども、無茶して遠くに行こうとするメリアリアに、何だかんだと言いながら付いて来てくれたのは蒼太だけだった、蒼太の前でだけはこの少女は素の自分を解放して思う存分、羽を伸ばす事が出来たのだ。
そんなある日。
メリアリアが8歳、蒼太が6歳になった一学期の、5月の第3金曜日の休み時間。
少女が女友達と話していると、クラスのガキ大将グループが彼女達の前へとやって来た。
「ねぇ、何の話してんの?」
「どんな病気も治せる薬の話よ、昔の錬金術師達は自由に調合が出来てたみたいなのよ。それが今でも出来たらなって話をしていたの」
「あっははははははっ。バカじゃねーの?有り得ねーよ!!」
「なによ、それ!!」
「いいじゃん、メリー。放っておこうよ」
「どんな病気でも治せる薬なんて迷信だって。セラフィムの実験棟にだってそんなモノは置いて無いんだぜ?」
「そうだよ、それに薬の調合って勝手にやっちゃいけないんだって、先生言ってたじゃんか!!」
「ああ言うのって確か、センモンのセンセーが付かなきゃいけないんだよね!?」
「だから出来たら良いなって話だってば。別に今すぐするとは言ってないでしょ!?」
「ねえそんな事よりさ。俺らと遊ぼーよ、鬼ごっこしようぜ、この前の続きな?」
「嫌よ。だって貴方達ドロシーしか狙わないんだもん!!」
と、またメリアリアが真っ先に拒否の姿勢を鮮明に打ち出すがドロシーと言うのは彼女の親友の一人であり申し訳ないけれどもあまり駆け足の出来る娘では無かった、要するに形を変えた弱い者狙いをして楽しもうと、このグループはしていたわけだ。
「なんだよ、別にいいだろ?そんな話なんかより絶対に面白いって、なあ!?」
「うん、別にいいじゃんよメリー!!」
「絶対に嫌。あんた達なんかと遊んであげない!!」
後から振り返って見ると、特別な事など何もないこの日常の風景がしかし、メリアリアにとってはとても大切で得難い時間に変わって行ったのである。
遊んでいる時なども、無茶して遠くに行こうとするメリアリアに、何だかんだと言いながら付いて来てくれたのは蒼太だけだった、蒼太の前でだけはこの少女は素の自分を解放して思う存分、羽を伸ばす事が出来たのだ。
そんなある日。
メリアリアが8歳、蒼太が6歳になった一学期の、5月の第3金曜日の休み時間。
少女が女友達と話していると、クラスのガキ大将グループが彼女達の前へとやって来た。
「ねぇ、何の話してんの?」
「どんな病気も治せる薬の話よ、昔の錬金術師達は自由に調合が出来てたみたいなのよ。それが今でも出来たらなって話をしていたの」
「あっははははははっ。バカじゃねーの?有り得ねーよ!!」
「なによ、それ!!」
「いいじゃん、メリー。放っておこうよ」
「どんな病気でも治せる薬なんて迷信だって。セラフィムの実験棟にだってそんなモノは置いて無いんだぜ?」
「そうだよ、それに薬の調合って勝手にやっちゃいけないんだって、先生言ってたじゃんか!!」
「ああ言うのって確か、センモンのセンセーが付かなきゃいけないんだよね!?」
「だから出来たら良いなって話だってば。別に今すぐするとは言ってないでしょ!?」
「ねえそんな事よりさ。俺らと遊ぼーよ、鬼ごっこしようぜ、この前の続きな?」
「嫌よ。だって貴方達ドロシーしか狙わないんだもん!!」
と、またメリアリアが真っ先に拒否の姿勢を鮮明に打ち出すがドロシーと言うのは彼女の親友の一人であり申し訳ないけれどもあまり駆け足の出来る娘では無かった、要するに形を変えた弱い者狙いをして楽しもうと、このグループはしていたわけだ。
「なんだよ、別にいいだろ?そんな話なんかより絶対に面白いって、なあ!?」
「うん、別にいいじゃんよメリー!!」
「絶対に嫌。あんた達なんかと遊んであげない!!」