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時と運命の調律者
第11章 追憶編2
 白いローブに身を包み、右手には樫の木でできた杖を持っている、温和で重厚なこの老師は“生きる叡智”、“人中の太陽”とまで讃えられる程の人格者であり、また噂では“既に500年を生きている”とさえ言われていた大賢者中の大賢者であった。

 肩の所で切り揃えられた白髪と、腰まで伸びた長い髭が特徴の彼はだから、年齢は不詳なモノのそれでも皇帝一家がもっとも頼りとする者の一人であり、その比類無き呪術の腕前と公明正大な性格を慕う者は後を絶たず、現に今も大分年下の、まだ一学生に過ぎない蒼太の話を少しも否定する事無く、寧ろ面白そうに聞いていた。

「・・・ちなみにエルフの国王陛下は、その御名を何と言われる?」

「・・・エルファサリア。エルファサリア・セラフィニ・シルリマリル七世陛下です」

「・・・そうか」

 それを聞いたアルヴィンはニッコリと微笑みながら少年に返礼した、“ご苦労だったね”と労いの言葉を掛けながら。

「・・・懐かしい」

「えっ!?」

「いやいや、こちらの話だよ。・・・清十郎どの、楓どの」

「はい、アルヴィン老師」

「この子の話は、本当だと言って良い。良くやってくれた、お二人の子はエルフの世界とこの世とを救ってくれたのだ」

「老師様・・・」

「それでは」

「この子は英雄だ。余りおおっぴらに出来ないのが残念だが。なによりも、その腰に履いている剣。それが全てを物語っている」

 そう言ってアルヴィンは蒼太がエルフ王から授かったと言われている、金でも銀でも無い不思議な金属で出来ている宝剣を指さした。

「大事になさい、その剣はいずれ君の命を守ってくれる事だろう。その剣には魔を払い、運を呼び込む力が備わっている、必ず何処に行くにも持ち合わせるように」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」

「学校にも・・・?」
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