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時と運命の調律者
第14章 追憶編5
「・・・私本当は、蒼太をここに入れたくなかった」
「・・・どうして?」
それでも自分達に対しては、事の真相を告げようとしない上層部に対して、ある種のモヤモヤを抱えたまま、蒼太が彼なりに、毎日を懸命に生き抜いていた、ある7月の晴れた土曜日の放課後のこと。
屋外でお弁当を食べながら、蒼太はメリアリアの言葉に耳を傾けていた。
「だって。こんな危険な世界だし。いつ死んじゃうか解らないんだよ!?私、蒼太にはずっと生きていて欲しい、こんな危険な場所になんて、来て欲しくなんて無かったもの!!」
「そんなの、僕だって同じだよ!!メリーを、メリーだけを危険な目になんか、合わせたくない、メリーとずっと一緒にいる!!」
「蒼太・・・」
強い口調で放たれたその言葉を聞いて、メリアリアは思わず涙を浮かべてしまっていた、本当はいけないと知りつつも、堪らなく嬉しくなってしまったのだ。
実際、彼女は上の人間達が蒼太をこの組織に入れようと画策していることを突き止めた際にはただ一人、最後の最後まで反対した。
蒼太は、大切な恋人であり思い人だった、何としても守りたい存在だった、誰が好き好んでそんな人を終わりの無い戦いの世界へと、引きずり込みたいとおもうだろうか。
勿論、彼女にだって葛藤はあった、自分の置かれた境遇の余りの厳しさに、人知れず涙した夜だってあった、それにー。
何かにつけて自分を気遣い、優しくしてくれる少年に、親愛なるパートナーに隠し事をする後ろめたさは正直言って筆舌に尽くし難いモノがあったけれども、それでもメリアリアは黙って耐えた、“自分が我慢さえすればそれでいいんだ”と、涙を拭って堪えたのだ。
それでもー。
時折、どうにも我慢出来なくなってつい少年を求めてしまった時もあった、それも執拗に、激しく、深く、お互いの内、どちらかが気を失うまで永久にー。
それでも蒼太は黙って全てを受け入れてくれていた、嵐のような激情の過ぎ去った後は、いつも優しく頭を撫でてくれていたのだ。
それだけではない、時には蒼太もまた、自らを“これでもか”と言うほどに求めてくれて、何度も何度も果てさせてくれていたのだがそんな日々を繰り返す内に、いつしか綾壁蒼太と言う存在は彼女にとって、自分の全てと言っても良いモノと化していたのである。
「・・・どうして?」
それでも自分達に対しては、事の真相を告げようとしない上層部に対して、ある種のモヤモヤを抱えたまま、蒼太が彼なりに、毎日を懸命に生き抜いていた、ある7月の晴れた土曜日の放課後のこと。
屋外でお弁当を食べながら、蒼太はメリアリアの言葉に耳を傾けていた。
「だって。こんな危険な世界だし。いつ死んじゃうか解らないんだよ!?私、蒼太にはずっと生きていて欲しい、こんな危険な場所になんて、来て欲しくなんて無かったもの!!」
「そんなの、僕だって同じだよ!!メリーを、メリーだけを危険な目になんか、合わせたくない、メリーとずっと一緒にいる!!」
「蒼太・・・」
強い口調で放たれたその言葉を聞いて、メリアリアは思わず涙を浮かべてしまっていた、本当はいけないと知りつつも、堪らなく嬉しくなってしまったのだ。
実際、彼女は上の人間達が蒼太をこの組織に入れようと画策していることを突き止めた際にはただ一人、最後の最後まで反対した。
蒼太は、大切な恋人であり思い人だった、何としても守りたい存在だった、誰が好き好んでそんな人を終わりの無い戦いの世界へと、引きずり込みたいとおもうだろうか。
勿論、彼女にだって葛藤はあった、自分の置かれた境遇の余りの厳しさに、人知れず涙した夜だってあった、それにー。
何かにつけて自分を気遣い、優しくしてくれる少年に、親愛なるパートナーに隠し事をする後ろめたさは正直言って筆舌に尽くし難いモノがあったけれども、それでもメリアリアは黙って耐えた、“自分が我慢さえすればそれでいいんだ”と、涙を拭って堪えたのだ。
それでもー。
時折、どうにも我慢出来なくなってつい少年を求めてしまった時もあった、それも執拗に、激しく、深く、お互いの内、どちらかが気を失うまで永久にー。
それでも蒼太は黙って全てを受け入れてくれていた、嵐のような激情の過ぎ去った後は、いつも優しく頭を撫でてくれていたのだ。
それだけではない、時には蒼太もまた、自らを“これでもか”と言うほどに求めてくれて、何度も何度も果てさせてくれていたのだがそんな日々を繰り返す内に、いつしか綾壁蒼太と言う存在は彼女にとって、自分の全てと言っても良いモノと化していたのである。