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時と運命の調律者
第17章 追憶編8
年が明けて蒼太が12歳、メリアリアが14歳となった、5月の中旬。
その日は夕方から、非公式ながらセイレーン内部に置ける大規模演習が予定されていた。
セイレーンに所属している生徒達は皆、訓練用の装束に身を包み、初等部、中等部の連合組対高等部生に分かれて町中で対戦を行う。
隠れ身の魔法を使うか、屋根から屋根へと飛び移るか、はたまた一般人に交じって各所を移動するかして相手となる生徒を見つけ、そこで対戦を行うのだ。
勿論、殺傷力のある武器や技を用いてはならず、また無関係の人間を絶対に巻き込んではならない、と言う中々に難易度の高いシミュレーションであったがこれが意外と人気があり、毎年のように行われている伝統的な一戦だった、しかしー。
その年の模擬戦は、それまでのモノと勝手が違っていた、何故ならこれこそが、メリアリア達の待ち望んでいた好機であったからだ。
演習が行われる事は周知されていた事だったから、この時ならばある程度、派手に動いても誰からも注目はされない。
よしんばクロード達に見付かってしまっても、特に怪しまれずに行動が出来る上に捕縛も容易く行える、まさに絶好の機会と言えた、言えたがしかし。
メリアリアには、ある1つの懸念があった、あの幼馴染みの少年の事だ。
恋仲になってからと言うもの順調に関係を発展させて来た二人であったが蒼太はクロードにも比較的近い立場にいた、メリアリアが何度か直談判して言い聞かせた為に、今は取り敢えず距離をとってはいるモノの一時期はお気に入りだった事もあった。
今回のターゲットには入ってはいないモノの、それでも事と次第によっては捕縛の対象くらいにはなるかも知れなかったから、メリアリアにとっては気が気でなかった。
「蒼太は、そんな人じゃないわ!!」
この一連の騒動が始まる、少し前のこと。
まだクロードの正体が判明せずに、それでも何か胡散臭いモノを感じていたメリアリア達は秘密裏に集まって“女王の評議会”を開いていた。
その時に少年の事が議題に挙がった事があって、メリアリアが必死に弁護したのだ。
「事情を説明すれば、蒼太はきっとこちらに来てくれる!!だから彼には手を出さないで!!!」
その日は夕方から、非公式ながらセイレーン内部に置ける大規模演習が予定されていた。
セイレーンに所属している生徒達は皆、訓練用の装束に身を包み、初等部、中等部の連合組対高等部生に分かれて町中で対戦を行う。
隠れ身の魔法を使うか、屋根から屋根へと飛び移るか、はたまた一般人に交じって各所を移動するかして相手となる生徒を見つけ、そこで対戦を行うのだ。
勿論、殺傷力のある武器や技を用いてはならず、また無関係の人間を絶対に巻き込んではならない、と言う中々に難易度の高いシミュレーションであったがこれが意外と人気があり、毎年のように行われている伝統的な一戦だった、しかしー。
その年の模擬戦は、それまでのモノと勝手が違っていた、何故ならこれこそが、メリアリア達の待ち望んでいた好機であったからだ。
演習が行われる事は周知されていた事だったから、この時ならばある程度、派手に動いても誰からも注目はされない。
よしんばクロード達に見付かってしまっても、特に怪しまれずに行動が出来る上に捕縛も容易く行える、まさに絶好の機会と言えた、言えたがしかし。
メリアリアには、ある1つの懸念があった、あの幼馴染みの少年の事だ。
恋仲になってからと言うもの順調に関係を発展させて来た二人であったが蒼太はクロードにも比較的近い立場にいた、メリアリアが何度か直談判して言い聞かせた為に、今は取り敢えず距離をとってはいるモノの一時期はお気に入りだった事もあった。
今回のターゲットには入ってはいないモノの、それでも事と次第によっては捕縛の対象くらいにはなるかも知れなかったから、メリアリアにとっては気が気でなかった。
「蒼太は、そんな人じゃないわ!!」
この一連の騒動が始まる、少し前のこと。
まだクロードの正体が判明せずに、それでも何か胡散臭いモノを感じていたメリアリア達は秘密裏に集まって“女王の評議会”を開いていた。
その時に少年の事が議題に挙がった事があって、メリアリアが必死に弁護したのだ。
「事情を説明すれば、蒼太はきっとこちらに来てくれる!!だから彼には手を出さないで!!!」