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時と運命の調律者
第19章 メリアリアとエカテリーナ
やがて、それが修まるとー。
そこに、メリアリアの姿は無かった、代わりに姿を現したのは年の頃11、2歳の、漆黒のドレスに身を包んだ、一人の黒髪の少女だった。
「・・・あれ?」
「おかしいわね」と、それを見た女性は怪訝そうな表情を見せて呟いた、本来ならば赤ん坊にまで戻っている筈なのにー、と。
「な、なんなのこれ!?一体何が・・・!!」
何をしたのよ、と我に返ったメリアリアは叫ぶがその反応を見た瞬間、女性からは今度こそ完全に笑顔が消えた。
「私が、解るの・・・?」
「当たり前でしょう!?貴女がやったんじゃない!!」
「・・・・・」
(おかしい、本来ならば記憶も完全になくなっているはずなのに・・・!!)
異国の少女の姿になってしまった後も、尚も戦闘態勢を解こうとしないメリアリアを、何事か考えながら暫くはジッと眺めていた女性は、やがて再び笑みを浮かべて告げた、“まあ良いわ”と。
「貴女はもう、メリアリアには戻れないわ。だって異国の少女になってしまったんですもの!!誰も貴女のことなんか解るわけないわ。法力だってそう、残っているのは精々、元々の十分の一の火力でしかない。二度と女王位には戻れない!!」
それだけ告げると“あはははははっ”と高笑いをして、女性はクルリと背を向ける。
そして来たときと同じようにまたコツ、コツとハイヒールを鳴らしながら、その場から立ち去って行った。
「・・・エカテリーナ。私は女帝エカテリーナよ」
それだけは、覚えておいてねと、そう告げて。
そこに、メリアリアの姿は無かった、代わりに姿を現したのは年の頃11、2歳の、漆黒のドレスに身を包んだ、一人の黒髪の少女だった。
「・・・あれ?」
「おかしいわね」と、それを見た女性は怪訝そうな表情を見せて呟いた、本来ならば赤ん坊にまで戻っている筈なのにー、と。
「な、なんなのこれ!?一体何が・・・!!」
何をしたのよ、と我に返ったメリアリアは叫ぶがその反応を見た瞬間、女性からは今度こそ完全に笑顔が消えた。
「私が、解るの・・・?」
「当たり前でしょう!?貴女がやったんじゃない!!」
「・・・・・」
(おかしい、本来ならば記憶も完全になくなっているはずなのに・・・!!)
異国の少女の姿になってしまった後も、尚も戦闘態勢を解こうとしないメリアリアを、何事か考えながら暫くはジッと眺めていた女性は、やがて再び笑みを浮かべて告げた、“まあ良いわ”と。
「貴女はもう、メリアリアには戻れないわ。だって異国の少女になってしまったんですもの!!誰も貴女のことなんか解るわけないわ。法力だってそう、残っているのは精々、元々の十分の一の火力でしかない。二度と女王位には戻れない!!」
それだけ告げると“あはははははっ”と高笑いをして、女性はクルリと背を向ける。
そして来たときと同じようにまたコツ、コツとハイヒールを鳴らしながら、その場から立ち去って行った。
「・・・エカテリーナ。私は女帝エカテリーナよ」
それだけは、覚えておいてねと、そう告げて。