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時と運命の調律者
第20章 Go to the East!!
 メリアリアは、不測の事態に陥ってしまっても、簡単に絶望してしまうほど弱い人間では決して無かった。

(泣いてる場合じゃ、無いわ!!)

 心を強くそう持つと、彼女は早速、セイレーンの聖堂へと引き返そうとした、中にはまだ残っている、オリビア達がいる筈なので事情を説明して助力を請おうとしたのである。

 しかし。

「・・・あれ、あれ?おかしいな」

 何度やっても、入り口の扉が開くことは無かった、ここには元々、高度かつ強度の結界が張り巡らされており、前もって自身の法力(波長と言い換えても良いが)を登録されていなければ、余人が力尽くで開けようとしても、決して開かないようになっていたのだ。

「嘘でしょう?そんなこと・・・」

「さっきのは、一体・・・!?」

 驚いているメリアリアの前に、しかし僥倖が訪れた、戸惑っている彼女の目の前で内側から扉が開かれ、オリビア達が出て来たのである。

「オリビア!!」

「ん・・・?」

 なんだ君は?と自身の名を呼ばれた氷雪の女王は怪訝そうな面持ちでそう応えるが研ぎ澄まされた理性を誇る彼女もまさか、目の前の少女がメリアリアである事までは見抜けなかった。

 勿論、姿形がまるで違う事もあるにはあったが何よりもその最大の理由は、この黒髪の少女の発する波長(波動)とメリアリアのそれとが微妙に食い違っていたからだ。

 この波長と言うものは、人それぞれの意識の状態(もっと言ってしまえば存在そのもの)に合わせて宇宙と言うか、神々により設定されているモノであり、それは部分的に他人と被る事があっても(これを同調と言う)全てが同一のモノになることは決して無い。

 つまり、その人その人に割り当てられた、マイナンバーみたいなモノだと思えば良いが、それがメリアリアと目の前の少女とでは噛み合わず、符合しなかったのである。

「・・・信じられない」

 女王位達は口々にそう告げた、“そんな話は聞いた事が無い”と言って。

「メリアリアと、確かに似た雰囲気はあるが・・・。その程度の“ズレ”ならば、街中の人混み等で、感じることは良くあるからなぁ・・・」

「俄には、信じがたいが・・・。君がメリアリアだと言う証拠はあるのか?」

「証拠って・・・。この鞭がそうじゃない!!」

「確かにこれはメリアリアが持っていたモノだが・・・」
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