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時と運命の調律者
第22章 謎解きはお風呂の後で
メリアリアが、メリーニとして蒼太の所へとやって来てから、早くも三ヶ月が過ぎようとしていた、ある5月の晴れた日。
この間、世間一般的には特に問題等は無く(実際には政治的な問題がわんさかとあったのだが・・・)、世界は優しさと温かさと、そしてちょっぴりの理不尽さを抱えたまま今日も回り続けていたのだ。
「ただいま~・・・」
「お帰りなさい!!」
そう言っていつものように仕事から帰って来た蒼太を、エプロン姿のメリアリアが出迎えるがこの風景もお互いに、もうすっかり慣れ親しんだモノとなっていた、特に変に所帯染みてしまっているメリーニはまるで蒼太の妻のような貫禄を見せ始めていて、実際に風格のようなモノまで漂い始めて来ていたのだ。
もっとも熟している役割だけ見れば確かに彼女は妻そのものと言って良く、また本人もそのつもりであったが二人の間にはもう一つ、決定的に欠けているモノがあった。
夜の営み、即ち夜伽である。
流石に蒼太はメリーニに対して手を出してくるような事はしなかったし、メリアリアも最初はそれでも満足していたのだが、最近はそれも我慢の限界を迎えつつあった、蒼太に“触って欲しい“、“抱いて欲しい”と心底思うようになっていたのだ。
(・・・もうっ。せっかく蒼太と再会できたのにっ。このままじゃ疼いちゃうよ、切ないよ~っ!!!)
と、まだ結婚前の乙女(既にして蒼太に抱かれてはいるモノの)だと言うのに既にして|欲求不満《セックスレス》となっていたメリアリアは、人知れずに悶絶していたのだが、一方で蒼太も蒼太で苦しんでいた事があった、メリーニの正体に付いてである。
蒼太はメリーニの事を、メリアリアではないかと考えていた、でなければあの時の、初めて出会った時の不可思議な感覚と言うか、直感の意味が解らなかったからだ。
確かに、メリアリアとメリーニでは感じる波長が違うモノの、彼女は間違いなくメリアリアであると、彼の心が、魂が告げていた。
それに。
彼女の時折見せる反応や仕草、言動の数々が、間違いなくメリアリアと符合する、ただ確証だけがそこに無かった。
それが、蒼太の悩みのタネだったのだがそんな彼の憂鬱を、吹き飛ばしてくれる出来事がやって来た。
この間、世間一般的には特に問題等は無く(実際には政治的な問題がわんさかとあったのだが・・・)、世界は優しさと温かさと、そしてちょっぴりの理不尽さを抱えたまま今日も回り続けていたのだ。
「ただいま~・・・」
「お帰りなさい!!」
そう言っていつものように仕事から帰って来た蒼太を、エプロン姿のメリアリアが出迎えるがこの風景もお互いに、もうすっかり慣れ親しんだモノとなっていた、特に変に所帯染みてしまっているメリーニはまるで蒼太の妻のような貫禄を見せ始めていて、実際に風格のようなモノまで漂い始めて来ていたのだ。
もっとも熟している役割だけ見れば確かに彼女は妻そのものと言って良く、また本人もそのつもりであったが二人の間にはもう一つ、決定的に欠けているモノがあった。
夜の営み、即ち夜伽である。
流石に蒼太はメリーニに対して手を出してくるような事はしなかったし、メリアリアも最初はそれでも満足していたのだが、最近はそれも我慢の限界を迎えつつあった、蒼太に“触って欲しい“、“抱いて欲しい”と心底思うようになっていたのだ。
(・・・もうっ。せっかく蒼太と再会できたのにっ。このままじゃ疼いちゃうよ、切ないよ~っ!!!)
と、まだ結婚前の乙女(既にして蒼太に抱かれてはいるモノの)だと言うのに既にして|欲求不満《セックスレス》となっていたメリアリアは、人知れずに悶絶していたのだが、一方で蒼太も蒼太で苦しんでいた事があった、メリーニの正体に付いてである。
蒼太はメリーニの事を、メリアリアではないかと考えていた、でなければあの時の、初めて出会った時の不可思議な感覚と言うか、直感の意味が解らなかったからだ。
確かに、メリアリアとメリーニでは感じる波長が違うモノの、彼女は間違いなくメリアリアであると、彼の心が、魂が告げていた。
それに。
彼女の時折見せる反応や仕草、言動の数々が、間違いなくメリアリアと符合する、ただ確証だけがそこに無かった。
それが、蒼太の悩みのタネだったのだがそんな彼の憂鬱を、吹き飛ばしてくれる出来事がやって来た。