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時と運命の調律者
第23章 アニバーサリー
「それに、一緒に居るようになってからだって、行動とか仕草とかが一々君だったんだもの、どんなに鈍くたって解るって!!」

「蒼太・・・!!」

 その言葉に、メリアリアは素直に感動してしまっていた、故国の誰もが(アルヴィンでさえもが)解ってはくれなかったと言うのに、蒼太は出会い頭にして、既に自分を見抜いていたのだ。

 それだけではない。

 その後の癖や反応からもメリアリアを感じたと言う言葉に、彼女はまた嬉しくなってしまっていた、まるで一人ぼっちのこの世界で初めて味方が出来たかのような確かさと言うか、安心感を感じていたのだ。

「それに、あんなのを見せられればね。信じない訳にはいかないさ」

「あの、蒼太・・・」

「ん・・・?」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・怒って、ないの?」

「何を、怒るって言うんだよ、黙ってた事をか?」

「だって・・・」

「どうせ色々考えちゃったんだろ?メリー。君は昔から優しすぎるって言うか、気を回し過ぎな所があったからなぁ!!」

「蒼太、でも・・・!!」

「クロードさんの事だって、何か事情があったんだろ?君がいきなりあんな事をする人間で無い事は、僕が一番良く知ってるもの」

「蒼太・・・」

 そこまで言うと蒼太は“こっちこそごめん”と頭を下げた。
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