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時と運命の調律者
第25章 絆と繋がり 中編
その時。
メリアリアは夢を見ていた、そこはうんと昔の古代都市のような場所であり、そこの大通りであろう、石畳の道の上を名も知らぬ若い男女が連れたって歩いていた。
それを見た瞬間、メリアリアは直感した、“ああ、これは私達だ”と、“生まれる前の、遥か以前の自分と蒼太だ”とたちどころに理解したのだ。
するとそれと同時にー。
今度は景色がいきなり変わって何処かで見た事のある風景が現れた。
そこはガリア帝国の首都、ルテティアの街角の一角だったが、そこで幼い頃の自分達が遊んでいた、周囲を数人の大人や子供達に囲まれながら、自分と蒼太が何やら楽しそうに話し込んでいたのだ。
ところが。
この時、メリアリアはその人達の顔を、姿を朧気にしか思い出すことが出来なかった、それは確かに懐かしい両親や親しかった友人達の筈だったのだけれども、その存在も声もあやふやで上手く認識する事が出来なかったのである。
代わって彼女を支配していたのは、全身全霊で追い求めていたのは目の前の少年の事だった、彼への気持ちが、彼への思いが、次々と胸の内側にある深い部分から沸き上がって来て止まらなかった。
その笑顔、笑い声、そして何気ない仕草の一つ一つがただただ眩しくて、暖かくてー。
“愛しい”そう思った瞬間。
まだ夢の中に在りながらも、彼女はハッキリと自覚した、“そうだったのだ”と、“自分はこの時から、いやもっと以前から蒼太の事を愛していたのだ”と、“彼が自分の全てだったのだ”と理解したのだ。
(ああっ、蒼太、蒼太・・・!!)
思わず夢の中で愛しい人の名を呼ぶがそれは心の奥底の、更に深い部分から湧いて来たモノだった、どんなに感性を研ぎ澄まそうとも自我や顕在意識では決して到達する事の出来ない領域。
即ち魂から漏れ出た記憶だった、魂の叫びだったのだ。
メリアリアは夢を見ていた、そこはうんと昔の古代都市のような場所であり、そこの大通りであろう、石畳の道の上を名も知らぬ若い男女が連れたって歩いていた。
それを見た瞬間、メリアリアは直感した、“ああ、これは私達だ”と、“生まれる前の、遥か以前の自分と蒼太だ”とたちどころに理解したのだ。
するとそれと同時にー。
今度は景色がいきなり変わって何処かで見た事のある風景が現れた。
そこはガリア帝国の首都、ルテティアの街角の一角だったが、そこで幼い頃の自分達が遊んでいた、周囲を数人の大人や子供達に囲まれながら、自分と蒼太が何やら楽しそうに話し込んでいたのだ。
ところが。
この時、メリアリアはその人達の顔を、姿を朧気にしか思い出すことが出来なかった、それは確かに懐かしい両親や親しかった友人達の筈だったのだけれども、その存在も声もあやふやで上手く認識する事が出来なかったのである。
代わって彼女を支配していたのは、全身全霊で追い求めていたのは目の前の少年の事だった、彼への気持ちが、彼への思いが、次々と胸の内側にある深い部分から沸き上がって来て止まらなかった。
その笑顔、笑い声、そして何気ない仕草の一つ一つがただただ眩しくて、暖かくてー。
“愛しい”そう思った瞬間。
まだ夢の中に在りながらも、彼女はハッキリと自覚した、“そうだったのだ”と、“自分はこの時から、いやもっと以前から蒼太の事を愛していたのだ”と、“彼が自分の全てだったのだ”と理解したのだ。
(ああっ、蒼太、蒼太・・・!!)
思わず夢の中で愛しい人の名を呼ぶがそれは心の奥底の、更に深い部分から湧いて来たモノだった、どんなに感性を研ぎ澄まそうとも自我や顕在意識では決して到達する事の出来ない領域。
即ち魂から漏れ出た記憶だった、魂の叫びだったのだ。