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嵐の夜に痕をつけられて
第4章 つけられた痕
エレベーターの扉が開くとムッとした空気が流れてきた。
昨日も雨だったし外の空気は湿ってるみたいだ。
この一週間、特にここ数日は色々なことがあった。
疲労とエレベーター内の湿り気から解放されたくてボウタイを取る。
首回りの解放感を得て、今日は久々にビールでも買って帰ろうかと思った時だった。
「おう、お疲れ。立川も上がりか」
「お、お疲れ様です……」
このタイミングで、この二人と同時に顔を合わせるなんて不意打ちもいいところだ。
エレベーターの扉が開くと同時に相沢さんが乗ってきた。
そして続いて亮太も乗ってくる。
亮太は私を見て少しハッとしたようだったが何も言わない。
元カノに気を遣うタイプとは思えないけれど、さすがに少しは気まずいのだろうか。
亮太がどう思っていようが私にはもう関係ない。
家に残った彼の荷物さえ返してしまえば完全に関わることもない。
むしろ早く取りに来てほしいくらいだ。
相沢さんとどんな顔で話せばいいのかあれだけ心配していたのに、亮太とも会ってしまったことで昨日のサヤちゃんとの会話が沸々と蘇ってきていた。
あんなに悲しかったのに、今は時間が経つほど段々怒りに変わってきている。
そんなことを考えていた私を、亮太が横目でじっと見ていたのは気付かなかった。
昨日も雨だったし外の空気は湿ってるみたいだ。
この一週間、特にここ数日は色々なことがあった。
疲労とエレベーター内の湿り気から解放されたくてボウタイを取る。
首回りの解放感を得て、今日は久々にビールでも買って帰ろうかと思った時だった。
「おう、お疲れ。立川も上がりか」
「お、お疲れ様です……」
このタイミングで、この二人と同時に顔を合わせるなんて不意打ちもいいところだ。
エレベーターの扉が開くと同時に相沢さんが乗ってきた。
そして続いて亮太も乗ってくる。
亮太は私を見て少しハッとしたようだったが何も言わない。
元カノに気を遣うタイプとは思えないけれど、さすがに少しは気まずいのだろうか。
亮太がどう思っていようが私にはもう関係ない。
家に残った彼の荷物さえ返してしまえば完全に関わることもない。
むしろ早く取りに来てほしいくらいだ。
相沢さんとどんな顔で話せばいいのかあれだけ心配していたのに、亮太とも会ってしまったことで昨日のサヤちゃんとの会話が沸々と蘇ってきていた。
あんなに悲しかったのに、今は時間が経つほど段々怒りに変わってきている。
そんなことを考えていた私を、亮太が横目でじっと見ていたのは気付かなかった。