『嵐の夜に痕をつけられて』第8章「エピローグ」 46ページ - 無料で読める大人のケータイ官能小説

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嵐の夜に痕をつけられて
第8章 エピローグ
「恵」


そう言って背後から抱きしめ、私の頭に頬を寄せる。
唐突に触れられたことに思わず息を呑んだ。
腰を引き寄せる手が大きくて昨日の夜が一瞬蘇る。


「な、なんですか」

「……昨日のこと後悔してない?」

「え……」

「何も言わずにいきなり家に連れ込んでごめん」

「いや、そんな、だって私が責任取ってくださいって……」


そう言いながらなんて恥ずかしいことを言ってしまったんだろうと今更ながら羞恥心が湧いてきた。
恥ずかしさで顔が真っ赤になっているのが自分でもわかる。


「恵にそう言われて俺も冷静じゃなくなってた。
 大事なこと言ってなかった」

「大事なこと?」

「ずっと好きだった。恵を指導してたときから。
 素直に受け答えするし、真面目だし、俺の指導にも泣かないし、可愛いと思った。
 でも上下関係がある状態で言い寄られても困るだろうし、まずは社会人として一人前にしてから口説こうと思ってた。
 恵には悪いけど、早く田上なんかと別れろって思ってた」


いきなり始まった告白に一気に心臓の音が早くなる。


「恵を大事にしない田上にもずっと腹が立って仕方なかった。
 横から掻っ攫おうかと何回も考えたけど、恵は田上のことが好きなのは見てて分かったし、そもそも俺のことなんか全く見ちゃいないから出来なかった」


亮太にいいように扱われてた過去の自分が情けない。
そんな目で見られていたのかと思うと嬉しいやら恥ずかしいやら複雑な気分だ。


「……本当にもう田上のことは忘れた?」
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