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第1章 レディスキッチン 園
 ……なんだか、むらむらしちゃう……

 一眠りしようと布団に転がった彩乃だが、眠れない。目を閉じるとレストランの光景が浮かび、ウエイトレスのエイコに突つかれた左乳首が疼く。

 ……まさか、わたしって……

 彩乃はブラを引っ張って自分の乳首を覗いた。硬そうに張り出していた。

「……うわぁ……」

 思わず声が出る。自分の硬そうな乳首を見た途端、内股にぬるっとした感触が起こった。

 おそるおそるパンティの上から触ってみる。

 パンティの上からでも分かるくらい濡れていた。きっと染みを作っているだろう。

「どうしちゃったのよう! 変だわ!」

 彩乃は立ち上がる。そして、屈伸運動を始めた。

「そうよ、こういう、時は、からだを、動かして、馬鹿らしい、思いを、汗で、流しちゃうのよ!」

 彩乃は屈伸をするたびに一語づつ自分に言い聞かせた。レストランの事が浮かぶ。田所のおばさまがいやらしい笑みを浮かべて彩乃に迫る。その横面を張り飛ばして、その幻影を振り払う。
 
 エイコの指先が迫ってくる。それに噛みついて、幻影を吹き飛ばす。

 そのように自分と闘いながら彩乃は、下着姿のまま屈伸運動を繰り返していた。

 しばらくして幻影は去って行ったようだ。

 彩乃はふうと大きく息を吐いて、布団に転がった。シーツの冷たい感触が心地よかった。

 そして、そのまま眠ってしまった。
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