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第2章 美和子の部屋
「あっ…… 美和子……」

 彩乃は慌てる。

「昨日言っていたレストランを探しに来たの?」

 美和子は言いながら階段を下りて来る。

「残念ね。今日はお休みよ」

「へぇ~っ、お客さん、彩乃さんって言うんだ……」

 美和子と一緒に下りながらエイコが言う。

「え? エイコちゃん、彩乃を知っているの?」

 美和子がエイコを見る。エイコはにやにやしている。

「昨日のお昼過ぎだったけど、お店に来てくれたのよ」

「まぁ……」

 美和子は驚いた顔を彩乃に向けた。

「彩乃、会った時、知らないって言っていたじゃない……」

「うん…… ごめんなさい……」

 彩乃は下を向いてしまった。二の句が継げない。

 肩をぽんと叩かれた。彩乃が顔を上げると、笑顔の美和子だった。  

「ふふふ、謝る事なんかないわよ、彩乃」

 美和子は優しく笑む。

「分かるわよ、言い出しにくかった理由……」

「昨日、彩乃さんがお客さんで来たのは、本当に何にも知らないで来たみたいなのよね」

 エイコが美和子に言い、腕をつかむ。

「それで、田所さんたちの様子を見て驚いちゃってさ」

「ああ、あのおばさまたちねぇ……」

 美和子がくすっと笑う。

「正に欲望の権化で、所構わずだもんねぇ」

「そうなのよね。彩乃さんが帰った後、営業妨害だって言ってやったら、ぽんと十万円出してくれて。迷惑料だって言うのよね」

「金持ちの暇なおばさんって手に負えないわね」

「本当にそう思う、やりたい放題って感じで」

 二人は笑っていた。彩乃はそんな二人の様子を見ているだけだった。

「……それはそうと、彩乃さん」

 エイコがいきなり彩乃に顔を向けて言う。

「どうして、ここへ?」

「それは、そのう……」

 彩乃は必死で言い訳を考えていた。

「……ほら、昨日、お料理をちゃんと食べられなかったでしょ? 美味しかったから、ちゃんと食べたいなって思って……」

 エイコも美和子も笑顔ではいたが、彩乃の言い訳を全く信じてはいないようだった。

 それを察した彩乃はふうと溜め息をついた。

「……なんて、言っても信じないわよねぇ……」

「そうね……」

 美和子は言うと、ふっと真顔になった。

「彩乃、ずばり聞くけどさ、興味持ったんでしょ?」
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