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第2章 美和子の部屋
 美和子の住むマンションは隣町にあった。

 そこそこの時間が掛かったが、美和子とエイコには楽しいドライブだったのかもしれない。

 しかし、彩乃にとっては違っていた。
 
 これから何が始まるのか、自分がどうなるのか、期待と不安でいっぱいだった。

 そうは思いながらも、期待の方が勝っていた。

 ……何故なら、ずっとむらむらしっぱなしだったからだ。

「ほら、あれがわたしの住んでいるマンションよ」

 美和子は右手で前方の建物を指した。七階建てのなかなか立派なマンションだ。

「あの七階よ」

「家賃とか高いんじゃないの?」

「あら、彩乃、心配してくれるのね。でもね、そうでもないのよ。何とか払って行けるわ」

「美和子さん、あのおばさまたちとも仲が良くってね」

 エイコが彩乃に振り返って言う。

「ちょっとだけ援助してもらっているみたい」

「こらこら、それは言わない約束よ」

 美和子は言って笑うと、彩乃に言う。

「……まあ、嘘じゃないわ。でも、そのお返しに色々あって……」

「ふ~ん……」

 彩乃はつぶやくように言いながら、昨夜の動画を思い起こしている。


 ……美和子、おばさまたちと……


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