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第1章 レディスキッチン 園
 田所のおばさまは席に戻り、エイコは注文を奥の厨房に伝えに行った。彩乃は急に一人になった。でも、ほっとしていた。……あのおばさまにずっと引っ付かれていたと思ったら…… 彩乃は苦笑する。

 彩乃が通う短大は女子短大だ。だから、色んなタイプの同級生を見ている。田所のおばさま以上にありがた迷惑な娘もいるし、どう見ても中学生くらいにしか見えない娘もいる。その逆に、主婦と言っても通るくらいの雰囲気の娘もいるし、彩乃の様に影の薄い娘も結構いる。

 彩乃はどちらかと言えば消極的で、周りに引き回され系だった。だから、田所のおばさまが隣に来てあれこれ言って来ても何となく受け入れてしまう。本心では迷惑だと思っていても表情や態度には出せないタイプだった。社会人になったら改善しなくてはと思っている、自分の短所でもあった。

 しばらくすると、エイコがトレイを持って現われた。

「お待たせしました、『園ランチレディス』です」エイコは慣れた手つきでトレイからプレートを二枚、テーブルに並べた。「ごゆっくり」

 テーブルには幾つもの料理が少しずつ色とりどりに乗せられていた。香りも、それぞれの料理がうまく調和していてうるささが無い。彩乃はナイフとフォークを使って食べ始めた。

「うわっ、美味しい……」

 彩乃は思わず声を漏らした。

「ね? でしょ?」いつの間にか田所のおばさまが通路に立っていた。「香りも味もばっちりなのよねぇ。量もちょうど良いし」

「はい、そうですね……」彩乃は圧倒される。「美味しいですね……」

「こら、田所ちゃん!」千葉のおばさまがやって来た。「ゆっくり食べさせてあげなさいな」

「でも、美味しいなんて声を聞いたら、じっとしていられなくって」

「ふふ、ありがた迷惑って言ったじゃない……」

「でも……」

 彩乃はもぐもぐしながらおばさまたちのやり取りを見ていた。
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