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新解釈 紺屋の女房
第4章 おかみさんの情け

その夜、お玉を交えて久蔵にいろいろ尋ねてみることにした。
「これ、久蔵や。お前さん、まさかと思うが吉原の女郎に恋してしまったのかえ?」
そう聞くと、久蔵は顔を真っ赤にして
「恥ずかしながらその通りです」と答えた。
吉兵衛は、あの夜に久蔵が指名した醜女のおなごを思い出していた。
「いいかい久蔵、よくお聞き。
おなごであれば誰でも良いという訳ではないんだよ
いくらなんでも、
あの醜女では毎日が楽しくないだろうよ」
そのように諭すと、お玉が烈火のごとく怒りはじめた。
「ちょいとお前さん、久蔵が見初めたおなごなんだよ!
その言いぐさはないんじゃないのかい?」
見た目でおなごの良し悪しを決めてはいけないと諭された。

「ちょっと待ってください
私が心をときめかすおなごは
端下(はした)の女郎ではなく
吉原一の花魁、高尾太夫にございます」
吉兵衛とお玉の言い合いに割って入るように
久蔵はすべてを打ち明けた。
『恋煩いの相手が、かの有名な高尾太夫だとぉ?』
吉兵衛は空いた口が塞がらなかった。
だが、此処は一つ、
義父として久蔵を諭してあげねばならない
コホンと小さく咳払いをすると
居ずまいを正してこう言った。
「久蔵、そりゃあ無理だ
花魁を身受けするにゃ、
この店(たな)を丸ごと売り払っても足りねえ」
悪いことは言わねえ、諦めろと久蔵をなだめたが
虫の居どころを悪くしたのはお玉であった。
下男同様の丁稚見習いから目をかけてやり
己の股ぐらで男にしてやった久蔵の願いを
どうにか叶えてやりたいと思った。
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