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あなたへ……千鶴子より
第1章 愛撫
あなたがするときは、最初は、舌先でちょろちょろと、優しく舐めてくれました。
そして、徐々に激しくしてくれましたよね。
その方が焦らされているようで、余計欲しくなるのです。
あなたは、それを知っていました。
ああ、でも彼は、始めから力強く、舌を大きく押し当て舐めてきました。
あなたのような技巧も、思いやりも、ありません。
私を悦ばせるためではありません。
彼は自分のためにしているのです。
ああ、でも、いい……その乱暴さが……いい……いえ……。
したいようにさせてあげたい。
それが彼のためだと思いました。
私はそう思ったのです。
ああ、でも……彼が力強く舐めあげるたびに、何かが湧き上がってくる……。

私は手を下半身から離しました。
片手を後ろに付いて、何度も仰け反る身体を、支えました。
もう片方の手は、口を塞ぎました。
でも、こらえても、こらえても、口から喘ぎ声が漏れるのです。
私は彼のために必死に耐えました。
「はあんっ、あっ、はうっ!」
彼に、はしたない女だと思われたくありませんでした。
首を振りながら耐えました。
“飢えている”から自分を誘ったのだと、思われたくありませんでした。
誓って言います。
飢えてなんていません。
私はただ、彼を助けたかっただけなのです。
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