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好きになってくれてありがとう
第9章 父からの連絡


動かなくなった私を見て翼さんが声をかけてくれたけど頭の中が真っ白だから動くことも声を出すことさえもできなかった。


私の膝にあったスマホを手に取り、借りるよ。と私に言ったあとスマホをリビングに持っていってしまった。

翼さんの声がかすかに聞こえてくる。
どうやら二人はスピーカーで話しているようだ。


「もしもし、お電話で失礼します。
私今理恵さんとお付き合いしております、藤堂翼と申します。」

「あ、そうなんですか。はじめまして理恵の父です。理恵とはいつから?」

「一ヶ月ほどてす。ですが職場が同じで理恵さんの直属の上司に当たるので知り合ってからはもうかれこれ経ちます。」

「そうですか。最近マンションを解約したとメッセージだけ来ていたのでどうしているか気になっていたんですが、少しバタバタしていので…」

「今は僕の家に住んでもらっています。分譲マンションなので家賃などはいらないからと。料理はできるだけ作るといってくれたのでお願いしています。
最近何かあったのですか?」

すると衝撃的なことを耳にすることになる。

私はリビングにゆっくりと入っていた。



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