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第10章 勝手なことしやがって〜翼side〜
翌日の朝数日分の荷物を持って理恵の地元へと向かった。
理恵の母親が入院している大学病院の近くに昼の面会時間から終わる時間まで車を停めて理恵な現れるのを待った。
一歩間違えれば犯罪の域に達するだろう。
いや、もうその域に踏みこんでいるはず。
それでも俺はここで理恵を待つことにした。
それから2日後理恵は面会時間の始まる時間に病院に入っていくのが確認できた。
よし、出てきたところをとっ捕まえてやる。
勝手に出ていって会社を辞めてただで住むと思うなよ…
そして待っている間に俺はある人に電話をかけた。
「もしもし?」
「翼か?どうした?」
相手は親父だ。めぐから聞いたことを確かめるためだった。
「めぐからの情報だけど、不動産会社の代表を俺にするって?」
「おう、聞いちゃったのか?」
「聞いちゃったじゃねぇよ。」
「翔(かける)はもう手一杯だ。そろそろお前も身を固めてやってくれ。」
翔は兄だ。
たしかに兄は何個かの会社を任されているからもう手一杯だろうが話がいきなりすぎる。
「分かった。会社と話して決まったら連絡する。」
俺は親父との会話を終えて理恵を待った。