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第10章 勝手なことしやがって〜翼side〜
一度ホテルに戻り車をおいてからまた病院に向かった。敷地内の駐車場に理恵の車があると思い探しているとすぐに見つけることができた。
ここで待っていれば必ず戻ってくるはず。
俺はそのまま待っていた。
面会時間が終わる時間が迫っていた時
車に向かってスマホを見ながら歩いてくる理恵を見つけた。
車に近づき顔を上げて車を見たと同時に手にしていたスマホを手放した。
幸い、ショルダーストラップをしていた理恵は地面にスマホを落とすことはなかったけどもし落ちていたならば画面は割れていただろう。
「ど…どうして…」
「理恵。」
車に近づいていたのに戻るように一歩後ろに下がった。
「おい。何してんの?」
俺は理恵に近づいて逃げられないように腕を掴みそのまま自分に抱き寄せた。
「はぁー、やっと会えた。」
「ねー、何してるの?」
何してるの?それはこっちのせりふだ。
手紙を書き残して直属の上司なのにいきなり退職する報告はなかったし?
「勝手に出ていって退職とは何考えてるんだ。」
「だから専務に…」
「ってかここから出てから話したい。
理恵運転できるか?」
理恵はフリフリと首を横に振ったから鍵をひったくりロックを解除した。