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第10章 勝手なことしやがって〜翼side〜


運転席に座りエンジンをかけるけど理恵は動かない。
助手席に無理矢理押し込んで車を病院から出し土地勘がないから近くにあったショッピングモール行き車を停めた。


「腹減ったな。何か食べに行くか。」

「…うん。」

「何?元気ないけど腹減ってねーの?」

「あんまり…」



ぐーーーーー!!!
いやいやめっちゃ鳴ってんじゃねーか。


「体は正直だな。この辺に焼肉屋ない?」

「5分くらい行けばあるけど…」

「じゃ、そこ行こう。その間にその放心状態を脱出して話せるようにしといて。」



うんうん。と頷いているから俺はまた車を走らせた。


少し走ると焼肉屋が見えた。
「あそこ?」と聞くとそうだと言われて店の前にある駐車場に車を停めた。


降りようとしたとき理恵は俺を呼び止める。


「あの、ここちょっと高いからもう少し安いところに…あの、私今日お金あまり持ってないから。」

「出してもらおうなんて思ってない。俺が出すからお前ちゃんと食えよ。この数日なのに痩せすぎ。」


数日会ってないだけなのに見てわかるくらい痩せていた。

「ちゃんと食わないとお前が倒れたらお母さんに会いに行けないだろ。」




俺は理恵の手を握って店へと入った。


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