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好きになってくれてありがとう
第11章 家族に報告
「お兄様にも挨拶いかなきゃね。」
「別にゆっくりでいい。」
そんな会話をしていると父はリビングのソファーに掛けてと言ってキッチンに向かおうとしていた。
私がお茶を準備するからと父を翼さんの元へ向かわせふたりともコーヒーはブラック派たから準備をするためコーヒーカップを出し遠くから二人を見ていた。
「突然お邪魔して申し訳ございませんでした。お忙しいのに…」
「いえいえ。今日は有給だし面会時間もお昼からだからまだ急ぐ時間ではないからね。」
「あの、これよかったら食べてください。」
翼さんは紙袋を出し父に渡していた。
それは藤堂グループのある有名な食品会社の紙袋だった。
「今はお二人共お忙しいと思いこんなものですが手軽に食べられるのでよろしければ是非。」
私はコーヒーを準備して二人の座るソファーに移動した。
翼さんからもらったものは最近話題になっていた本格的な料理のレトルト食品だった。
「あ!これ今話題の?」
「そうらしい。兄貴が珍しく気を利かせて昨日スーツと持ってきた。」
翼さんは笑いながら言っていた。
私もそれにつられて笑ってしまった。