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好きになってくれてありがとう
第12章 久しぶりの母
「そうだったのね。理恵、ごめんなさいね。私がもっと早くお父さんやあなたに相談していたらこんなことにはならなかったはずなのにね。」
まだ意識が戻ったらばかりなのにいつも気にかけてくれている母には頭が上がらない。
「それでね、私仕事辞めたの!こっちに帰ってきて今は家にいるけどお母さんが退院して少し落ち着いたらまた東京に戻るね。」
「仕事辞めてしまったの?東京もどってどうするの?大変でしょ?」
私は翼さんがこちらに来ていること、プロポーズされてOKしたと母に伝えた。
「お父さんも会ってくれたよ。お母さんもいつか会ってね!」
「今すぐにでも会いたいわ。そっか、理恵も、お嫁に行く時が来ちゃったのね。」
「彼には伝えておくわ。このあとまた会うから。」
お母さんは楽しみにしておくわ。早く元気に翼ならなきゃ!なんて明るく話していたときにお父さんが戻ってきた。
そして話は翼さんの話題だった。
藤堂グループの御曹司で父は翼さんがお気に入りみたい。
「そんな方に理恵は思ってもらえて幸せね。」
「おいおい、僕はサラリーマンだけど君を負けないくらい愛してたんだが?」
こんな年になって父と母の愛の言葉を聞くとは思わなかった。