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好きになってくれてありがとう
第12章 久しぶりの母


「めぐは幼馴染で腐れ縁だな。

理恵は三葉製薬って分かるか?
めぐは三葉製薬のお嬢様だ。

三葉の社長と親父は高校時代の友人らしくて家族ぐるみでの付き合いが長い。

めぐは一人っ子で将来のことを考えてどっかのボンボンと結婚されられる予定だった。
けど、それが嫌で自分が勤務してた会社の後輩とできちゃった結婚。

のちのち聞くとめぐの策略だったらしい。」

「策略?」

「そ。自分が好きでもない男と結婚させられるなら好きな人としたいから子供を作って結婚せざるを得ない状況を作ること。」

「すごい。」

「成人してるし子供ができて今の旦那と入籍して反対されてもどうにもできないようにして親に伝えたらしい。
最初はすごい揉めたしいろいろあったけど、婿をもらうより自分が嫁に行きたかったとか?」

「行動力のある女性だね。翼さんは好きになったりしなかったの?」


私が質問すると明らかに嫌そうな顔をした。

「俺がめぐを好きになる?
勘弁してくれよ。あんな自己中女好きになるわけないだろう。」


本当に嫌そうな顔をした。嘘じゃないんだと分かる。


「そっか。話してくれてありがとう。」

さっきまでのモヤモヤが一気に晴れた。



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