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好きになってくれてありがとう
第15章 はじめまして
嘘っ!どうしよう。
そんなことを思っているといとも簡単に玄関のドアは開かれた。
どうしようとその場であたふたしているとスリッパをパタパタさせて歩いてくる音が聞こえてくる。
「あ!あなたが理恵ちゃんね!かわいい!かわいい子だわ。あなた、たっくんにこんなかわいい彼女がいたなんて!」
母と同じくらいだと思っていたけど全然若い。
私と少ししか変わらないと言ってもおかしくないくらいの女性のあとにすごくダンディなオジサマが顔を出した。
「勝手に入ってきてすまなかったね。
藤堂翼の父で藤堂蓮でこっちが私の妻の琴葉だ。
翼が朝イチに連絡してきて結婚するって言ってから連絡が取れないんでね来てみたんだ。
仕事に行っているんだね。」
「翼さんのお父様とお母様でしたか。
はじめまして、ご挨拶が遅くなり申し訳ございません。
月島理恵と申します。」
深く頭を下げるとトントンと肩を叩かれた。
ゆっくり顔をあげるとお母様の琴葉さんが笑ってこっちを見ていた。
「そんなカタイ挨拶なんていらないから私とお出かけしましょ。たっくんには後で私から言っておくから!」
どうしていいか分からずにその場に佇んでいると玄関のドアが激しく開く音がした。