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好きになってくれてありがとう
第6章 上司と同居


「私つい最近まで付き合っていた人が居たんですよ。」


周りから見るとどうなのかわからないけどきっといいようには思われないはず。


「だから何?
俺からすれば別れてくれてありがとうって感じだけどな。」

「それに私はなんにもいいところなんてないんです。
部長みたいに良いお家柄でもないですし、特に秀でてるものもありません。」


藤堂グループの息子である部長とイチ会社員の娘なんて釣り合うはずがない。

「あ、卓也は連れて歩くにはいいって言ってました。後で身体目当てだったんです。」


部長のキスが止まった。
ほら、やっぱり部長もそうだったんだ。とドキドキした自分が馬鹿みたいで下を向くと更に部長の方へと引き寄せられる。


「何だその上から目線。マジであいつ根性腐ってんな。叩き直す必要があるな。

俺はそんなふうに思ってない。
家のことなんてどうでもいいし、好きなのは変わらない。

何年もずっと想ってきたこの気持ちはあいつと一緒にされたら困るな。」


確かに前言ってたなー。部長はいつからそんな風に想ってくれていたんだろう。



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