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好きになってくれてありがとう
第6章 上司と同居


パスタが嫌いなんじゃない。
ただのトラウマだったりする。


実は卓也と付き合って初めて作った手料理が今目の前にあるものと同じカルボナーラだった。

ソースも自分で味付けをしてなかなか美味しく出来たと自分の中の評価はよかった。

きっと美味しく食べてくれると思って出した。
一口食べて少し動きがとまった。


美味いって言ってくれると思ってて私は卓也のまさかの行動に衝撃を受けた。

わたしの部屋にあった食器なのに…

「まっず、こんなの食えねぇわ」

そう吐き捨てるとパスタが入っていたお皿とフォークをこちらに向けて投げてきたことがあった。

お気に入りだった食器は少しだけ欠けてしまったことを思い出した。

それ以来カルボナーラを作ることも食べることもしなくなってしまっていた。

見て動かなくなった私を見て部長は顔を覗き込んでくる。

「どした?体調悪い?」

私は首を横に振るとカルボナーラ嫌い?と聞いてきた。


だから私は正直に部長に話すことにした。



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