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JUN(ジュン) ~メールの恋人~
第8章 決着
「待て!待て!!!
頼む、ナイフを下げてくれ!!
美智子は何も関係ないんだろ?!!!」
「関係?大有りよ!!!
今年の夏、
同僚同士でキャンプに行ったときのことよ…
私は密かに沖島と入れ替わっていた。
そうとも知らずにあなたは私にこう言ったわ
『俺、たぶん来年あたりに結婚しようと思う』って…そして、この女とのツーショット写真を
私に見せつけたわ!!!」
そんな…そんな…
俺は親友の沖島だからこそ
打ち明けたというのに…
「私は嫉妬に狂った!!!
そんなとき…私の中の沖島が
復讐に手を貸すと言ってくれたわ」
そこまで話すと
再び頭を2,3度ブルブルと振ると沖島に戻った。
「JUNと話をしたか?わかったろ?
お前はひどい男だ!!
純情な女の気持ちを踏みにじったんだからな!!」
踏みにじるもなにも、JUNはお前じゃないか
俺に好きな女も持たずに
一生独身でいろとでもいうのか!
ポ~ンという電子音と共に
エレベーターが到着した。
中に乗っていた年輩のご婦人が
素っ裸の男女に気付き、
きゃあ~~と悲鳴をあげ走り去った。
エレベーターに乗り込んだ2人を追い詰めて
共に乗り込もうとしたが、
「来るな!来ればこの女の首を切る!!」と威嚇した。
閉まりゆく扉の隙間から
「この女は頂く!お前は一生孤独に生きろ!!!」と捨て台詞を残し、下っていった。
「追いかけるわよ!!」
純子が再びエレベーターの呼びボタンを押した。
「待ってられない!!」
俺は隣接の階段を走り降りた。
「あ!待って!!」
純子も慌てて後に続いた。