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JUN(ジュン) ~メールの恋人~
第4章 JUNと直接会うことにした

しばらく待っていると、
一人の女性が店内に現れた。

淡いベージュのコートが似合う
セミロングのスレンダーな女性だった。
年齢は30半ばといったところか…

女性は一通り店内を見渡し、卓也と目が合った。

『君か?…君がJUNなのか?』
席から立ち上がろうとしたそのとき、
彼女がバッグからスマホを取り出し、
メールを打ち始めた。

彼女の指がスマホから離れた後、
やや遅れて卓也のスマホに着信があった。

―あなたが・・・卓也さん?・・・―

彼女だ!彼女がJUNなのだ!
彼女と見つめ合い、卓也は小さく頷いた。

彼女は少しはにかんだ笑顔を見せながら
卓也に近づいた。

「あ…始めまして…卓也です」

心臓が口から飛び出しそうだった。

「逢いたかったわ…」

美智子にはない大人の、
熟女の色気が卓也を縛り付けた。

「びっくりしたよ…
5年ぶりにメールが来たかと思えば
急に逢いたいだなんて」

そう言いながらも、 卓也の目は
コートを脱いで現れた薄いニットセーターに包まれたたわわな双丘に釘付けになっていた。

「携帯をスマホに変えて、
アドレスの整理をしてたら
あなたのアドレスが消えずに残っていたの。
懐かしくて思わずメールしちゃった」

テーブルに置いたスマホを指で弄りながら
彼女はそう言った。

「迷惑だったかしら?」

たぶん別れ方が卓也からの一方的な終わり方だったから、女の存在というものを察知してくれてるのかもしれない。
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