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JUN(ジュン) ~メールの恋人~
第4章 JUNと直接会うことにした
部屋に入り、コートを脱ぎながら
「何か飲む?」と言いながら、
こちらが答える前に 「ビールでいいでしょ?」と
瓶ビールを冷蔵庫から抜き出し、
グラス二つを手にし、ソファに座り込んだ。
「卓也くんも座ったら?」
ソファは一組しかないので
仕方なく卓也はJUNの横に腰をおろした。
「で、卓也くんあなた、彼女いるのよね?」
おいしそうにビールを喉に流し込みながら
彼女は聞いてきた。
あれ?
5年前、JUNにメル友をお別れするメールを打ったときに美智子の事を書いたっけ?
いや、それとも何も理由を書かずに
別れを切り出したような文書だったっような?
まあ、書いていたとしても
5年の月日が
そんな記憶を忘れさせたとしてもおかしくはなかった。
「一応…将来を誓い合った彼女がいます」
隠していて後でバレるのも後味が悪いので
正直に答えた。
「ふ~ん、そうなんだ。でもいいよね?」
「なにがですか?」
「別にあなた一穴主義じゃないんでしょ?
2人の女と関係を持ってもいいんでしょ?」
それって…俺に抱けと言っていることか?
据え膳喰わぬは男の恥と言われているように、
抱いて欲しいと言われれば拒むつもりはなかった。
この時点で卓也は心の中から
美智子という女性の存在を一旦消し去った。