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JUN(ジュン) ~メールの恋人~
第4章 JUNと直接会うことにした
久しぶりに会ったことですし、
お時間があれば立ち話もなんですから
そこのファミレスでお茶でもどうですかと
沖島に誘われた。
美智子としては、卓也とゴールインする場合、
挙式にはおそらく出席してもらう人物であろう沖島の誘いを無下に断われなかった。
「大杉、最近忙しそうだから
会えなくて淋しいでしょ?」
大きなお世話だわと思いながらも、
表情には笑みを湛えて
ええ、まあ…などと曖昧に答えた。
「あいつ、けっこうでかいプロジェクトを立ち上げようとしてるから…
あ、なにかそんなことを聞いてませんでしたか?」
はは~ん、要はそれか…
私から情報を聞き出したかったわけね…
偶然じゃなく、私を待ち伏せしてたってわけね。
残念ですけど、
愛する人が大事にしてるプロジェクトを
そう簡単に漏らすわけないじゃない。
「さあ…卓也は仕事のことは私に話さないから」
実は曖昧ではあるが
愛し合った後のピロートークで
いつか卓也がポロッと溢したことがあった。
「そうかあ~、そりゃあ残念だなあ。
いや、実は偶然なんてまったくの嘘っぱちでね。 里中さんから情報を聞き出そうと待ち伏せしてたんですよ。 でも時間のムダでしたねえ~」
そう言ってあっさりと白状して爽やかに笑った。
「あいつ、ほんとに有望な人材なんですよ。
同期の仲間で群を抜いているし、
かわいい恋人もいるし…
あ~あ、あいつにゃかなわいよ」
笑顔で話す沖島だったが、
その目は笑っておらず、
美智子の胸をジ~っと見つめていた。