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JUN(ジュン) ~メールの恋人~
第5章 沖島の陰謀
「おいおい、昨日と同じスーツに
同じネクタイかよ~、 髪はボサボサだし、
髭さえ剃っていない…
お前ひょっとして美智子さんと朝帰りかあ~?」
爽やかな笑顔で茶々を入れる。
ほっておいてくれってんだ。
「まあ、アッチもほどほどにな、
それより企画書…期限は明日だぜ。大丈夫か?」
俺はすでに今朝、提出したけどな。
そう言ってがんばれよと
ポンと肩を叩き沖島は自分の席に向かった。
ランチタイムになったのを待ちかねて
卓也はJUNにメールを送信した。
―昨夜はごめん…
お詫びに次回はたっぷり可愛がってやるよ―
送信してまもなく着信音が鳴った。
―このメールのアドレスは存在しません―
なんだって?どういうことだ?
卓也は帰宅後、
企画書の完成に躍起になっていた。
明日の朝までに仕上げなくてはならなかった。
卓也の頭の中ではほぼ完成していた。
データーの見直しをするだけなのだから
2,3時間で済むはずだった。
だが…数値が違う!!!
なぜだ?
何週間もかけてじっくりプログラムを組んだはずなのに…
まさかJUNが…
いや、そんなバカな。
ファイルはパスワードセキュリティで守られていたはずだ!
なぜだ!!!
いや、今はそんなことよりも
データーの修正が先決だ。