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JUN(ジュン) ~メールの恋人~
第7章 JUNとの再会
ポケットから合鍵を取り出すと、
解錠し、荒々しくドアを開けた。
「美智子~~~!!!!」
さほど広くないワンルームマンションであったが
室内までがやけに遠く感じた。
クローゼットが開きっぱなしで、
洋服がベッドの上に何着か乱雑に置かれていた。
ふとテーブルに目をやると
『卓也へ』という置手紙があった。
~卓也へ、
ごめんね…私、汚れちゃった~
たった2行の置手紙…
美智子、どこへ行ってしまったんだ…
「・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・」
スーツの内ポケットで
スマホのバイブが震えた。
美智子なのか!!!!
慌てて画面を見てみると、
部長の青柳からだった。
「受話」をタップすると
耳に押し当てるまでもなく
『こら~~~大杉!!君は何をやっているんだ!!!』 と罵声が聞こえた。
『今からすぐ社に戻ってこい!』
今から?腕時計を確認した。
今から戻ったところで終業時間じゃないか…
「部長すいません…しばらくお休みをください」
『この電話で済まそうというのか?
話がある。とにかく戻ってこい!業務命令だ!』
有無を言わせなかった。
当然だ。
同僚を殴り飛ばし
何も言わずに会社を飛び出したのだ。
厳しい謹慎命令か悪けりゃクビだな…
その辞令を受けに来いと言うのか…
卓也は足取りも重く会社に歩を進めた…