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JUN(ジュン) ~メールの恋人~
第7章 JUNとの再会
一方、純子の部屋では…
静かな室内にインターホンが鳴り響いた…
時計に目をやると、
沖島が来ると言っていた時間だった。
インターホンの応答もせずに
純子はロックを解錠してやった。
まもなく沖島が純子の部屋にやってきた。
おそらくこれから地獄図が描かれていくのだろう
純子はいたたまれなくなって
部屋を飛び出そうとした。
「どこへ行く」 沖島が引き止める。
「仕事よ」
こんな部屋にいるぐらいなら
仕事に出かけたほうがマシだと思った。
「しばらく仕事を休んでもいいぐらいの金は渡した筈だが…」
彼女がいたぶられるのを見たくないの!
そう捨て台詞を残し純子は逃げた。
その頃、卓也が会社に戻っていた。
時間は就業を終え、
残業者がポツリポツリと残っているだけだった。
『おいおい、
また騒ぎを起こしに帰ってきたのか~?』
居残り組みの冷やかな眼がそう言っていた。
いたたまれない気持ちで
重い足を引きずりながら部長室のドアをノックする。
「どうぞ入りたまえ…」
中から慇懃な声が返ってきた…
出来ることなら待ちくたびれて
帰宅していてくれと願っていたが
どうやら願いは叶わなかったようだ。
「失礼します…」
一呼吸おいて、ドアを開け足を踏み入れた。
部長がデスクの向こうで、
般若のような顔をしてこちらをにらんでいた。