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見習いドS彼氏
第8章 『飼い主』
夕方になり、あたりが暗くなり始めても結局奈緒がやってくることはなかった。
奈緒に何度も電話をしたが電源が入っていないというアナウンスがただ繰り返された。
もはやぼんやりとした不安ではなくなった智輝はほぼ駆け足で奈緒のマンションへと向かっていた。
切れた息を整えもせず、智輝はインターフォンを押した。
部屋の中は昨日と同じ真っ暗で、人の気配など感じなかったが、そんなことは関係なかった。
反応がなくとも二度三度と智輝は連打した。
(奈緒っ……頼むっ……出てくれっ!!)
祈るような思いで智輝はインターフォンを押し続けた。
「あのっ……」
昨夜と同じように隣の部屋の玄関が開く。
眼鏡をかけた隣人は少しだけ怯えたように智輝に声をかける。
「荒井さん……昨晩から帰ってきてないですよ……」
その一言は認めたくなかった現実を智輝に直視させた。
「それは……確かですか……」
なるべく相手を恐がらせないよう、智輝は精一杯抑えた声で尋ねた。
「確かかと言われると自信はないですけど……」
奈緒に何度も電話をしたが電源が入っていないというアナウンスがただ繰り返された。
もはやぼんやりとした不安ではなくなった智輝はほぼ駆け足で奈緒のマンションへと向かっていた。
切れた息を整えもせず、智輝はインターフォンを押した。
部屋の中は昨日と同じ真っ暗で、人の気配など感じなかったが、そんなことは関係なかった。
反応がなくとも二度三度と智輝は連打した。
(奈緒っ……頼むっ……出てくれっ!!)
祈るような思いで智輝はインターフォンを押し続けた。
「あのっ……」
昨夜と同じように隣の部屋の玄関が開く。
眼鏡をかけた隣人は少しだけ怯えたように智輝に声をかける。
「荒井さん……昨晩から帰ってきてないですよ……」
その一言は認めたくなかった現実を智輝に直視させた。
「それは……確かですか……」
なるべく相手を恐がらせないよう、智輝は精一杯抑えた声で尋ねた。
「確かかと言われると自信はないですけど……」