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見習いドS彼氏
第8章 『飼い主』
「お構いなく」と伝えたが女はお茶を淹れてくれた。
駅からずっと走ってきた為に喉が渇いていた智輝は一気にそれを飲み干した。
隣人は『西野弥生』(にしのやよい)と名乗ってから先ほどの話を続けてくれた。
「その、梶野さん、と荒井さんが一緒にいらっしゃるのをたまにお見かけしてました。荒井さんみたいな綺麗な女性の彼氏さんはやっぱりかっこいい方なんだなって……」
「いえ……そんなことは。それで?」
「あ、はい。そんな荒井さんが金曜日は他の男性と歩いていたのでびっくりしたんです。それもぴったりと体を寄り添わせて親密そうに歩いていました」
それで鮮明に記憶に残った、弥生はそう締め括った。
そこまではっきりと言われては記憶違いとか見間違いと正面切っていうのは憚られた。
「それは……どんな男性でしたか? はじめて見る人ですか? 心当たりは?」
不安な智輝は矢継ぎ早に質問してしまう。
「それは……うーん……はじめてだったような気もするんですが……結構年配の方でした」
弥生は黒くて艶のある髪を耳もとでかきあげながら記憶の糸を辿るような表情で答える。
「何でもいいので思い出せることを教えてもらえませんか?」
「……はい。私もチラッとしか見てないからはっきりとしたことは言えませんが……」
駅からずっと走ってきた為に喉が渇いていた智輝は一気にそれを飲み干した。
隣人は『西野弥生』(にしのやよい)と名乗ってから先ほどの話を続けてくれた。
「その、梶野さん、と荒井さんが一緒にいらっしゃるのをたまにお見かけしてました。荒井さんみたいな綺麗な女性の彼氏さんはやっぱりかっこいい方なんだなって……」
「いえ……そんなことは。それで?」
「あ、はい。そんな荒井さんが金曜日は他の男性と歩いていたのでびっくりしたんです。それもぴったりと体を寄り添わせて親密そうに歩いていました」
それで鮮明に記憶に残った、弥生はそう締め括った。
そこまではっきりと言われては記憶違いとか見間違いと正面切っていうのは憚られた。
「それは……どんな男性でしたか? はじめて見る人ですか? 心当たりは?」
不安な智輝は矢継ぎ早に質問してしまう。
「それは……うーん……はじめてだったような気もするんですが……結構年配の方でした」
弥生は黒くて艶のある髪を耳もとでかきあげながら記憶の糸を辿るような表情で答える。
「何でもいいので思い出せることを教えてもらえませんか?」
「……はい。私もチラッとしか見てないからはっきりとしたことは言えませんが……」