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見習いドS彼氏
第9章 毒牙
奈緒は紛らせるために下唇を強く噛んでいた。

「縄をほどいてどうするんだ? 指で穴をほじくりたいのか?」

女性の尊厳を奪うように俗物的に問い掛ける。
奈緒は息も止めて顔を赤くさせていた。

「自分で弄らずとも私が弄ってやってもいいのだが?」

綾宮親切ぶった小馬鹿にする口ぶりで奈緒に問い掛ける。

「触らないでっ……」

微かに残った気力で奈緒は綾宮を睨む。

「ほう。別に君が嫌なら私は構わないんだよ」

綾宮はあっさりと引き下がり近くにあった椅子に腰掛ける。
(ああっ……頭がおかしくなりそうっ……あそこを触りたいっ……)
奈緒は痒みと疼きの苦しみの中、ひたすら媚薬の効能が切れることを祈った。

「ああ、そうだ。言い忘れてたけれどその媚薬は一時間くらいは持続するからね。たっぷり塗ったからそれ以上かもしれないけど」

グラスに注いでいたブランデーを口にしながら綾宮が忠告した。
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