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見習いドS彼氏
第10章 すれ違い
「それだよ。その気持ちこそがお前と智輝君の繋がりだ」

綾宮は首輪の鎖をぐいっと引っ張る。
首輪が奈緒の細い首を締め付け、奈緒はごほごほと咳き込みながらもがく。
交渉の余地などなかった。
智輝のことを口にするたびにこのように綾宮を苛つかせる。

「わかりました……」

首が絞まったせいで赤くなった顔で奈緒は自ら服を脱いでいく。
智輝のためという気持ちは言葉に出さず胸のうちに秘めた。
昔心の底から焦がれた綾宮教授に捨てられ、心が砕け散って、ようやくの思いで立ち直った。
それなのにこのような形で再び綾宮と対峙することになった。
その悲しさや悔しさが身体の奥底からこみ上げてくる。
下着も脱ぎ捨て、隠すべき術を全て失った身体で奈緒は立ち上がった。

「誰が立てと言った? 家畜は四つ足でひざまずくのが基本だろう」
「せっかく忘れられたのに」

呟きながら奈緒はその場でひざまずく。

「先生に捨てられて、ボロボロになって……ようやく立ち直れたのに……」

涙を浮かべながら奈緒は両手を床についた。

「なぜ今更先生は私の前に現れたんですか……」

その問いかけに綾宮は答えず、鎖を引いて奈緒を手繰り寄せる。
そして目隠しをつけさせてから鎖を引き、隣の部屋へと移動していった。
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