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見習いドS彼氏
第11章 羨望
「梶野さんっ! 今日は帰りましょうっ!」
それでも弥生は智輝の腕を掴んで引き止めた。
「しつこいなっ!」
智輝は荒々しくその腕を振り払った。
「きゃあっ!」
その勢いが強すぎて弥生はよろけて雨水が溜まった地面に倒れてしまった。
「あっ……」
正気に戻った智輝はごめんと謝りながら慌てて弥生を立たせようとする。
しかし弥生は地面に座ったまま立ち上がらない。
「西野さん?」
「立ちません。梶野さんが帰るというまで私もここで座ってます」
「えっ……ちょ、勘弁してよ」
笑ってごまかそうとするが弥生の目は真剣そのものだった。
「冗談じゃないですからっ! 本気ですからっ!」
そういってる間にも地面を跳ねる雨粒が弥生をどんどんと濡らしていく。
弥生の黒々とした長い髪も雨で黒光りを増す。
「分かった! 分かったからっ! ほら立って」
「絶対ですよっ?」
「分かったよ」
呆れ笑いながら智輝は正面から弥生の脇に腕を回して引っこ抜くように持ち上げて立たせた。
それでも弥生は智輝の腕を掴んで引き止めた。
「しつこいなっ!」
智輝は荒々しくその腕を振り払った。
「きゃあっ!」
その勢いが強すぎて弥生はよろけて雨水が溜まった地面に倒れてしまった。
「あっ……」
正気に戻った智輝はごめんと謝りながら慌てて弥生を立たせようとする。
しかし弥生は地面に座ったまま立ち上がらない。
「西野さん?」
「立ちません。梶野さんが帰るというまで私もここで座ってます」
「えっ……ちょ、勘弁してよ」
笑ってごまかそうとするが弥生の目は真剣そのものだった。
「冗談じゃないですからっ! 本気ですからっ!」
そういってる間にも地面を跳ねる雨粒が弥生をどんどんと濡らしていく。
弥生の黒々とした長い髪も雨で黒光りを増す。
「分かった! 分かったからっ! ほら立って」
「絶対ですよっ?」
「分かったよ」
呆れ笑いながら智輝は正面から弥生の脇に腕を回して引っこ抜くように持ち上げて立たせた。