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見習いドS彼氏
第11章 羨望
弥生を立たせた智輝は約束通り張り込みをやめ帰ることにした。
しかし二人ともこれほど雨に濡れていてはタクシーに乗ることも出来ず、駅まで急いだ。

「寒いっ……」

秋の雨に濡れた弥生は震えていた。
ここから弥生の家まで電車を乗り継いで帰れば一時間くらいはかかってしまう。
それまでに風邪を引かれてしまっては申し訳がない。

「とりあえずシャワーを浴びて休もう」

智輝はラブホテルの前で弥生に告げる。

「……はい」

少し戸惑いながらも弥生もそれに従った。
部屋に入ると智輝は真っ先に弥生にシャワーを浴びるように薦め、自分はタオルで濡れた髪をタオルで乾かす。

「梶野さんの方が長い時間雨に濡れてたんだから先に入ってください」
「俺はいいから。早く」

智輝に押し切られ弥生は仕方なく先にシャワーを浴びに行った。
濡れたスーツをハンガーにかけ、備え付けのバスローブを身に纏ってからソファーに腰掛けた。
視線を壁に向けて智輝はぎょっと驚いた。
バスルームの壁はガラス張りになっており、中の弥生の裸体が丸見えだったからである。
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