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見習いドS彼氏
第11章 羨望
「代わりって……なに言ってるんだよ」
冗談で済ませられないところまで来ているのは智輝にも分かっていた。
弥生のふくよかな裸体を見ないように顔を背けて「ごめん」と小さく呟いた。
「……もういいじゃないですか。これ以上梶野さんが苦しむところ、見たくありません。私なんかじゃ荒井さんの代わりにならないことは分かってますっ……分かってますけど……」
「代わりにならないとか、そういう問題じゃないんだ。ごめん。世界中の誰だって奈緒の代わりになんか、ならない」
「そんなことっ! ……そんなことわかってます。そんなきれいごとでごまかさないで……」
「…………ごめん」
冗談でも済ませられないし、きれいごとでも済まされない状況だということはわかっていた。
「でも俺が好きなのは奈緒だけで……世界中の誰でもなく……奈緒だけなんだ」
「ずるい……荒井さん……何もか持ってて……智輝さんの心まで持っていったままいなくなるなんて……ずるいです。嫌いです……」
甘く拗ねるような声を出した弥生の頭を智輝は優しく撫でてやる。
もう一枚あったバスローブを弥生の肩にかけてやり、ポットでお茶を淹れはじめた。
「はいどうぞ」
「……ありがとうございます」
弥生はバスローブに袖を通し、眼鏡をかけて湯飲みを手にする。
湯気がすぐに弥生のレンズを曇らせた。
冗談で済ませられないところまで来ているのは智輝にも分かっていた。
弥生のふくよかな裸体を見ないように顔を背けて「ごめん」と小さく呟いた。
「……もういいじゃないですか。これ以上梶野さんが苦しむところ、見たくありません。私なんかじゃ荒井さんの代わりにならないことは分かってますっ……分かってますけど……」
「代わりにならないとか、そういう問題じゃないんだ。ごめん。世界中の誰だって奈緒の代わりになんか、ならない」
「そんなことっ! ……そんなことわかってます。そんなきれいごとでごまかさないで……」
「…………ごめん」
冗談でも済ませられないし、きれいごとでも済まされない状況だということはわかっていた。
「でも俺が好きなのは奈緒だけで……世界中の誰でもなく……奈緒だけなんだ」
「ずるい……荒井さん……何もか持ってて……智輝さんの心まで持っていったままいなくなるなんて……ずるいです。嫌いです……」
甘く拗ねるような声を出した弥生の頭を智輝は優しく撫でてやる。
もう一枚あったバスローブを弥生の肩にかけてやり、ポットでお茶を淹れはじめた。
「はいどうぞ」
「……ありがとうございます」
弥生はバスローブに袖を通し、眼鏡をかけて湯飲みを手にする。
湯気がすぐに弥生のレンズを曇らせた。