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第11章 羨望

「そ、それは……ないんじゃないかな……」

実際に奈緒がどれだけドMなのかを知ったらビックリするだろうなと思いながら智輝は答えた。

「そうでしょうか？　荒井さんってそういうの、好きなんですか？」
「ま、まぁ……嫌いではないんじゃないかな……」

なんとも中途半端な答えしか出来ない。

「荒井さんもMっ気あるんだ……意外です……なんか共通点があって嬉しいかも……」
「ははは……なんだそれ」

弥生の那緒への憧れの強さに思わず笑ってしまう。
(けど奈緒の場合Mっ気じゃないからな……ドMっ気だから……）

「そ、その……お尻叩いたりとか、そんなことしてたんですか？」
「どストレートな質問の仕方だね……」
「あ、す、すいません……なんというか、その……気になってしまって……」